statement 2011
作品は一時的なものでいずれ消え去ります。長い時間をかけて忘れ去られるものもあるでしょうし、何度も修復されて保存されるものもあるでしょうが、いずれ消え去ります。しかし作品の存在はかたちを持つことのみではないと思います。作品は記憶と共に思考によって伝わります。それももはや作品とも呼べないような変化を伴って人類のうちに宿るのです。芸術と呼ばれるものが出現してから3万年程経ちます。そしてこの数百年でさまざまな形態をもつようになり、いったい”芸術”とは何かわからなくなってしまいそうですが、心を落ち着けて静かに向き合うことのできるのは、目の前にある一つの作品のみです。それに対して、芸術かどうかを心で受けとめるのみです。情報に惑わされず、同時代から何を受け取り、何を返すことができるでしょうか。作家は慎重に選択します。私の場合は自然でした。自然と思えるものやことに反応して制作するのです。
『Flower on stone』
インスタレーション 石、花 「AICHI GENE-some floating affairs-」 豊田市美術館又日亭
『Stone on flower』
インスタレーション 石、花 「AICHI GENE-some floating affairs-」 豊田市美術館又日亭
